2025.06.23 転職エージェント

採用担当者なら知っておきたい!売り手市場に対応する採用戦略とは

近年は、人材を求める企業に対して求職者が少ない「売り手市場」が続き、多くの企業が人材の確保に苦戦しています。

「求人を出しても応募が集まらない」「せっかく面接まで進んでも内定辞退されてしまう」「優秀な社員が退職してしまう」など、採用担当者の悩みは尽きません。従来の採用方法だけでは、優秀な人材を獲得することが難しくなっているのです。

本記事では、現在の売り手市場の背景や企業が取るべき戦略、転職エージェントを利用するメリットについて解説します。採用活動に悩む人事担当者様は、ぜひ参考にしてください。

売り手市場で採用難!今の転職市場の背景について解説

売り手市場の背景を理解することが、効果的な採用戦略を立てる第一歩です。主な背景を解説します。

(1)少子高齢化

売り手市場の最も大きな原因と考えられているのが、少子高齢化による労働人口の減少です。

総務省が発表した「令和4年版 情報通信白書」によると、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年をピークに減少を続けており、2050年には5,275万人を下回ると予測されています。2021年と比較すると29.2%、約3割減少する見込みです。

単純に働ける人が以前と比べ、少なくなっているのです。少子高齢化による労働人口の減少は、今後も続くことが予想されています。

(2)労働者の価値観の変化

かつての「終身雇用」や「年功序列」といった日本型雇用システムが崩壊し、転職によるキャリアアップが一般的になりました。

求職者は給与や福利厚生だけでなく、働き方の柔軟性やワークライフバランス、企業の社会的責任や成長機会など、多様な観点から就職先を選ぶようになっています。そのため、企業の人材確保が難しくなり、売り手市場につながっています。

(3)経済の好調

経済が好調だと企業の業績が上がり、事業拡大をする企業が増加します。事業拡大には多くの人材が必要となるため、積極的に採用活動をする企業が増え、売り手市場になります。

2025年現在は、コロナ禍からの経済回復の影響を受けて企業活動が活発になり、売り手市場が続いている状況です。

(4)人材ニーズの変化

デジタル化やグローバル化の進展により、企業が求めるスキルが急速に変化しています。例えばAI関連などの新たなスキルや職種は、ニーズに対してスキルを持つ人材が不足しており、売り手市場の傾向が高まっています。

またITをはじめとする専門性の高いスキルや職種は、どの企業からも需要が高く、採用難易度が高いのが現状です。

売り手市場で採用に成功するには?選ばれるための戦略とは

売り手市場が続く今、これまでと同じ戦略では、採用成功は難しいでしょう。新しい施策を取り入れることが、採用成功の近道です。

(1)攻めの姿勢にシフトする

求職者が企業を選ぶ時代になり、従来のように「求人を出して待つ」だけでは、優秀な人材は獲得できなくなりました。

優秀な人材は市場に出ると短期間で採用が決まってしまいます。そのため、受動的に応募を待つのではなく、積極的にターゲット層にアプローチする姿勢が不可欠です。

また自社の魅力を適切に伝えるマーケティングの施策が、採用活動に求められるようになってきました。

(2)労働条件・環境を改善する

売り手市場では、求職者の選択肢が多く、求人を比較・検討して転職先を探します。労働条件は、数字などで明確にあらわれる部分が多く、比較・検討の材料となりやすい部分です。

そのため、労働条件・環境が競合他社や業界水準よりも見劣りすると、優秀な人材の獲得は難しいでしょう。給与や休暇、勤務形態、手当など、見直しやすい部分から改善することが大切です。

もし競合他社や業界水準よりも魅力的な条件を提示できれば、応募が増え、採用成功につながります。

また、リモートワークやフレックス制など柔軟に働ける環境を整えるのも、効果的なアプローチです。

(3)ポテンシャルに目を向ける

優れたスキルや経験を持つ人材は引く手あまたのため、採用成功のハードルは高いといえます。

そこでおすすめなのが、ポテンシャルを重視した採用活動です。現時点でのスキルや経歴で判断するのではなく、成長可能性や適応力といった将来性にも注目しましょう。そうすることで、より幅広い人材にアプローチできるようになります。

(4)会社全体で取り組む

「採用部門だけの課題」ではなく「全社的な取り組み」として採用を位置づける姿勢が重要です。優秀な人材の獲得は企業の成長に直結する重要な経営課題です。

採用担当者だけでなく、経営層や現場マネージャーを含めた全社的な取り組みとして採用活動を展開することが、採用成功のカギとなります。

会社全体で取り組むことで、さまざまな視点から適した人材を見極められるほか、現場社員が選考に関わることで応募者との信頼関係を構築できるなどのメリットがあります。

(5)新しい採用手法を取り入れる

転職サイトに求人を掲載するなどの既存の方法だけではなく、新しい採用手法を取り入れることで、良い人材を獲得するチャンスが広がります。

新しい採用手法の代表的なものとして、リファラル採用やアルムナイ採用があります。

・リファラル採用
自社の社員に、友人や知人を候補者として紹介してもらう方法です。会社の理念や文化を理解している社員からの紹介のため、ミスマッチが起こりにくく、採用コストをおさえられる点がメリットです。その反面、不採用時に配慮が必要となるなどのデメリットもあります。

・アルムナイ採用
一度退職した社員を再び雇用する手法で、「カムバック採用」や「退職者再雇用」とも呼ばれます。企業の文化や業務を理解した人材を確保できる・採用コストをおさえられるなどのメリットがあります。デメリットとしては、給与体系や人事制度の再検討が必要になる・今いる社員の退職へのハードルが下がるなどがあげられます。

売り手市場での採用には、転職エージェントの活用も効果的です。

売り手市場の採用に!転職エージェントを活用するメリットとは

これまで転職エージェントを利用したことがない方向けに、主なメリットを3つ紹介します。

(1)優秀な人材にアプローチできる

転職エージェントには多数の求職者が登録しており、なかには転職サイトなどには登録していない人材もいます。

特に現職で活躍中の優秀な人材は、公開求人への応募よりもエージェント経由での転職を好む傾向があります。エージェントを活用することで、こうした層へのアプローチが可能になります。

また知名度が低い場合などは、転職サイトに求人を掲載しても、埋もれてしまう可能性があります。転職エージェントであれば、マッチする求職者を紹介してくれるので、チャンスが増えます。

(2)求職者へアピールしてくれる

転職エージェントは、企業の魅力や働くメリットを求職者に適切に伝える役割も担っています。優秀な転職エージェントを利用することで、求職者へのアピールができ、採用成功の可能性が高まるでしょう。

特に一般の転職サイトではなかなか伝わらない、メンバーの人柄や企業文化、働きやすさといった部分は、転職エージェントを通してアピールすると効果的です。

(3)ミスマッチを防げる

転職エージェントは求職者の希望や適性を深く理解した上で企業に紹介するため、ミスマッチのリスクが低い傾向にあります。

ミスマッチが少ないため、入社後の早期離職リスクが低くなり、長期的な人材定着につながります。売り手市場の場合、求人が豊富にあり、「新しい職場が合わなかったら、また転職しよう」と考える求職者も少なくありません。

早期離職によるコストや手間を削減するには、転職エージェントの利用がおすすめです。

まとめ

少子高齢化や労働者の価値観の変化などにより、売り手市場が続く今、これまでの採用手法では優秀な人材の獲得が難しくなっています。

労働条件・環境の改善やポテンシャル採用の強化、さらに多様な人材の活用など、新たな採用戦略を取り入れることが求められています。

転職エージェントを活用すれば、優秀な人材への効率的なアプローチが可能です。企業の魅力を的確に伝え、採用のミスマッチを減らすこともできるでしょう。

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