

2025.06.23 転職エージェント
キャリア採用とは?目的と組織課題の解決につなげるアプローチを解説

企業の競争力強化や組織変革を目的に、「即戦力」という言葉とともに語られることの多いキャリア採用。しかし、「即戦力が欲しい」という漠然とした目的だけで採用活動を進めてしまうと、期待したほどの成果が得られないケースが少なくありません。
また、中途採用と同一視されやすい言葉ですが、厳密には意味や目的に違いがあります。
本記事では、キャリア採用の目的を整理し、組織の課題解決につなげるための具体的なアプローチについて解説。さらに、キャリア採用において転職エージェントを活用するメリットを紹介します。
キャリア採用とは?中途採用との違いを理解する

最初に、キャリア採用とは何かや中途採用との違いについて解説します。
(1)キャリア採用とは
キャリア採用とは、企業が募集する職種に対し、即戦力として活躍できる人材を採用することを指します。具体的には、下記のような人材が対象です。
・対象職種の就業経験がある人材
・対象職種に関連するスキルがある人材
・同じ業界での就業経験がある人材
・専門知識や資格を持つ人材
以前は定年まで同じ企業に勤めることが当たり前だったため、新卒採用を行い、白紙の状態から自社の文化や業務に適応させ、長期的な視点で人材を育成するのが一般的でした。
しかし終身雇用制度の崩壊に伴い、転職が当たり前になりました。その結果、特定のスキル・経験・知識をすでに持つ人材を自社に迎え入れるキャリア採用が注目されています。
また、変化が激しい現代社会において、会社もまた柔軟な変化が求められています。他社での経験や異なる環境で培われた視点を持つ人材が加わることで、新しいアイデアやノウハウを吸収し、イノベーションを促進するという点で大きな価値が生まれます。
(2)中途採用
キャリア採用と混同されがちな言葉として、中途採用があります。中途採用とは、社会人として働いた経験がある求職者全般を対象としています。社会人経験のない求職者を対象とした新卒採用との対比でよく使われる言葉です。
キャリア採用は中途採用の一種ですが、求める人材が異なります。キャリア採用が企業や募集職種に適した即戦力を求めているのに対し、中途採用では社会人経験があれば未経験者でも歓迎する傾向にあります。
求人の募集要項では、下記のような表記に記載します。
・キャリア採用:「営業経験が〇年以上」「〇〇ができる方」
・中途採用:「未経験者歓迎」「〇〇経験者歓迎」
ちなみに経験者採用という言葉もありますが、こちらはキャリア採用とほぼ同じ意味で使われています。
キャリア採用を成功させるために!目的を明確にしよう

キャリア採用を成功させるためには、「なぜキャリア採用を行うのか」という目的を明確にすることが不可欠です。
単に「人手が足りないから」「即戦力が欲しいから」という理由だけでは、採用活動の方向性が定まらず、効果的な人材獲得につながりません。
自社の現状と課題を客観的に分析し、将来的にどのような方向に組織を発展させたいのかを踏まえた上で、キャリア採用の具体的な目的を設定することが重要です。
キャリア採用の目的には、主に以下のようなパターンが考えられます。
(1)即戦力人材の確保
新規事業の立ち上げやデジタルトランスフォーメーションの推進など、自社内に十分なスキルや知識がない領域に進出する際には、その分野の即戦力人材を採用することでスムーズに対応できます。
例えば、製造業がIoT技術を導入する際にIT人材を採用したり、国内企業が海外展開を図る際に海外拠点の立ち上げ経験者を採用したりするケースがあてはまります。
社内で経験のない人材を登用する場合、業務に慣れるまで時間がかかる・教えられる人材がいないといったリスクがあります。
またキャリア採用によって得たノウハウを既存の社員に教えることで、スキル・知識を持つ人材を増やすことができます。
(2)社内の専門知識・ノウハウの強化
特定の分野やスキルに強い人材を採用することで、社内の専門知識・ノウハウを強化できます。
他社で同様の業務経験を持つ人材が加わることで、異なる視点での考え方やノウハウを吸収でき、業務効率化や精度向上などの効果が期待できます。
また業界のトレンドや最先端の技術に精通した人材の採用により、競合他社と比べて有利に事業を進められるケースもあります。
(3)組織の変革や活性化
長年同じメンバーで事業を続けていると、どうしても組織が硬直化し、新しい発想が生まれにくくなることがあります。
外部からの人材を採用することで、異なる視点や考え方を取り入れ、組織に新たな風を吹き込めます。
異業種からの転職者による常識に捉われないアイディアが、企業を大きく成長させるケースも少なくありません。
こうした目的を明確にすることで、「どのような人材を、どのような理由で採用したいのか」が具体化でき、採用活動の指針となります。
また目的が明確になることで、採用後の配置や育成計画も立てやすくなり、採用した人材がより効果的に活躍できる環境を整えることができるでしょう。
キャリア採用には転職エージェントが効果的!その理由とは

キャリア採用を成功させるには、どの採用手法を選ぶかも重要です。転職エージェントも効果的な方法のひとつとして注目されています。その理由を紹介します。
(1)求める人材にアプローチできる
キャリア採用は中途採用と比べ、求めるスキル・経験の条件が厳しいため、一般の転職サイトでの募集では、マッチする人材を見つけられないケースも少なくありません。
転職エージェントであれば、転職サイトでの募集では接点を持ちにくい優秀な人材にもアプローチできます。特に在職中で積極的な転職活動をしていない人材には、転職エージェントでしか接点を持てない場合も多いでしょう。
(2)プロの目線からアドバイスをもらえる
キャリア採用では、希望するスキル・経験を持つ人材が非常に少ないなど、採用活動が難航するケースも多く存在します。
転職エージェントを活用することで、「少し条件をゆるめて〇〇の経験がある人材も検討しませんか?」などプロの目線からのアドバイスが期待できます。
転職市場の動向や競合他社の情報など、自社だけではリサーチが難しい情報をもらえるのも大きなメリットです。
(3)ミスマッチが少ない
キャリア採用の場合、自社とは異なるバックグラウンドを持つ人材を採用するため、ミスマッチを起こすリスクがあります。
転職エージェントは求職者の希望や状況、人柄などを理解したうえで、マッチする求人を紹介する仕組みです。自社に合う人材を厳選して紹介してもらえるため、ミスマッチによる早期退職が起きにくいでしょう。
(4)秘匿性の高い求人を行える
転職エージェントでは、一般の転職サイトには掲載しない非公開求人、そのエージェントのみで募集する独占求人といった案件も取り扱っています。
新規事業の立ち上げに伴うキャリア採用など、事業戦略上オープンに募集できない求人も、安心して募集できます。
まとめ

キャリア採用は、必要なスキル・経験を持ち即戦力となる人材を採用することを指します。これは単なる「人手不足の解消」や「即戦力確保」にとどまらない、戦略的な意義を持ちます。
そのため組織課題を分析し、即戦力人材の確保や専門知識・ノウハウの強化といった具体的な目的を設定することが成功の鍵となります。
求めるスキルや経験が明確なキャリア採用の場合、転職エージェントの活用が効果的です。エージェントを通じて優秀な潜在層へのアプローチが可能になり、市場動向や競合情報といった専門的知見も得られます。さらにミスマッチのリスクを低減できる、秘匿性の高い求人を募集できるといったメリットもあります。